母上さま。

「ほのぼの」の作業をしていると、後ろから声がした。
「それ、可愛いわよねぇー」
ひなたの母上サマがぽつりと呟く。

シリーズ2の№9「ココロ干し」を作業中。



「・・・おかあはん、買ってなかった?」
彼女は確か、個展開催時に購入していたはず。
「あれは、あげちゃったもの。お母さんのは無いの」

…そーかい。そーかい。

「世話になってるし、あげるよ」
親子の会話としては、いかがなものかとお思いの方も多いかと思うけれど、うちはこれでいいのです(笑)
一桁年齢の頃より、個々の人格と生活を尊重しているので、常にこんな感じの会話を展開。
「あら、お母さんお金払わなくちゃ!」

…そーかい。そーかい。そりゃ殊勝なこって。

「いらん。差し上げます(笑)」
親子の会話としては、いかがなものかと…(以下省略)

ひなたは、下書きの最中も、作業中も、人の気配を嫌うため、作業中はたいて夜中。
今まで、母上様は娘の作品など目にしたこともなく、それでも「見せて」とも言わず、その良く出来た母親ぶりは、今更ながらにありがたい。
母親が娘のしていることに口を出さないというのは、簡単なようでいて、かなり難しい。
アタシは記憶にないくらい小さなころから絵を描いていて、そのまま趣味となり、ライフワークとなっている。
小学生のころから、アタシは母上に描いた物をあまり見せない。それでも、無理に見ようとしない母上は、とてもすごい。
作業中のアタシに、不機嫌に対応されても、母上様に変化はなく、いつも通り。
アタシは、いつまでも母上様の子供で、それはずっと変わらない。

アタシの好きな「ココロ干し」。母上の好きな「ココロ干し」。
自分に甘いアタシ。自分に厳しい母上。
正反対な二人だけれど、同じものを気に入った不思議。

母上の思い通りには育たなかった親不幸なアタシだけれど、母上の気に入るものが生み出せてよかった。
小さな小さな、恩返し。
母上様にも、「ほのぼの」が訪れますように。
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by tibi-hinata | 2006-03-08 00:25 | キモチ
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